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フェンシング女子フルーレ期待の星 宮脇花綸(みやわき かりん)選手を応援!




ダイワ・エム・ティは、フェンシング女子フルーレの期待の星、宮脇花綸(みやわきかりん)選手(18歳)が使用する「ヒルト」の製作を通じ、2020年の東京オリンピック出場を目指す宮脇選手を応援しています。

フェンシングは御承知の通り、剣を使ったスポーツです。剣を握る柄の部分は「ヒルト」と呼ばれていますが、ここが剣と自身の動きをつなぐ"肝"。この部分のフィット感がなによりも重要になります。

もともと西洋で発達したスポーツですから、道具も既製品は大柄な西洋人に合わせたものが主流です。160cmと小柄で、手も小さな宮脇選手の握りに合うヒルトを探すのは、至難の業。既製品を削るなどカスタマイズして使っているそうですが、削ればどうしてもその部分が弱くなります。宮脇選手は、そうした中で奇跡的に合うサイズのヒルトを大切に6年以上も使い続けていましたが、とうとう割れて使えなくなってしまいました。

自分の手に合うヒルトをなかなか見つけられずに困っていた宮脇選手。ご両親もなんとかしたいと手を尽くされていたところ、さるご縁を通じて、弊社代表の和久田の耳にこの窮状が伝わりました。



「ヒルト」ってなに?

「イメージできる形あるものは何でもフォルム化できるのが、ダイワ・エム・ティ」と自社の強みを常日頃説いていることもあり、「ヒルト」がどのような形状でどのような役割をもつものかもわからないままに引き受けることに。

宮脇選手愛用のヒルトを預かると、全社員が首をひねりながらも、細部までも精密に複製するべくプロジェクトが動き出しました。

まず、ヒルトを非接触のスキャナーにて3次元化し、DDCにてポリゴンデータをサーフェースデータへ変換。そして、原型を維持しつつ、粗く削られた部分や欠損している部分をデータ上にて修正を行いました。

続いて、完成されたデータで試作樹脂モデルの製作を行います。データ上で多少修正を加えているので、宮脇選手に握りの確認をしてもらう為、試作樹脂モデルを製作することにしたのです。

そもそも誰もがフェンシングをやったこともなければ、剣に触れたこともないのです。プロジェクト開始後、フェンシングについての資料を持ち寄り、ヒルトが何であるのか、どんな役割を持つのか、なぜこの部分に力が入り割れるのか、なぜ剣を挿す部分が途中で四角から丸状へと形状が変わるのか等々、ディスカッションを重ねました。

3Dプリンターを使用すれば、簡単に試作品を造ることはできます。しかし、原型に忠実にモデルを再現する為には、マシニング加工で精度良く加工する必要があります。マシニングでの1次〜2次加工の段取りを何度も検討し、治具を使用することなく加工する方法を考案しました。

試作品はABS樹脂を使用。マシニング加工はシミュレーション通り順調に進み、最後の手仕上げでは、ダイワ・エム・ティが誇る職人の技を駆使して仕上げられました。

ご依頼から約1か月。試作品ができあがり、さっそく宮脇選手に試していただきましたところ、「とてもフィットします。重量感も変わりません。」とのお返事。さっそく本型の製作に取り掛かりました。

本型はアルミ合金の比較的高強度な材料を選択しました。マシニング加工も問題なく順調に完了し、手仕上げの工程へと移ります。ここで、 最初に加工を終えた1つ目のヒルトを鏡面仕上げにしたところ、「ツルツルして滑りやすい」との評価が・・・。そこで、2つ目からはサンドブラスト仕上げに変更し、ツルツル感が無くなったところで、アルマイト処理を行い、完成。もちろん、ルールにも適合する仕上がりです。



安心して試合にのぞめる!

「フェンシングは道具が本当に大事です。フルーレは剣を突いたりかわしたりしならせたりと、手首の感覚がとても重要なのですが、握る部分のヒルトがしっくりこないとうまく剣を使いこなせません。試合には5本ほど剣を持ち込みますが、使いやすいヒルトをそのたびに付け変えることもできないので、3年ほど前からずっと自分の手に合うヒルトを探し続けていました。剣はいろいろと選択肢があるのですが、ヒルトだけはどうしても自分に合うものが見つけられずに、奇跡的に合う最後の一つもとうとう8か月前に折れてしまって、途方に暮れていたんです。」

宮脇花綸選手は続けて、「これはとてもしっくりと馴染みます。これで安心して試合にのぞめます。嬉しいです!」と、とても喜んでくださいました。 フェンシングは、2008年の北京五輪で太田雄貴選手が銀メダルを獲得したこともあり、日本でも注目されています。種目はフルーレ、エペ、サーブルと3種類ありますが、宮脇選手は太田選手同様、フルーレで活躍しています。 2015年お正月のテレビ番組に出演、Sports Graphic Number#872(2015/3/5号)では、表紙に登場するなど、メディアからの注目も高い宮脇花綸選手。完成したヒルトの贈呈日も、高校の授業の後、練習を終えてから1本取材をこなされていました。

現役高校生ながら海外遠征にも多く出向き、2014年8月のユース五輪では銀メダルに輝くなど、着実に力を付けている宮脇選手。ヒルトという道具の製作を通じて、未来を目指すアスリートを応援できることに、ダイワ・エム・ティ・の社員もみな喜んでいます。2016年のリオデジャネイロはもちろん、2020年東京五輪での活躍に向け、これからも宮脇選手の活躍を期待し、サポートしてまいります。

2015年3月取材

 


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